日本人は外国人でもヨーロッパや南米の選手と比べると、比較的身体が小さい。
外国人でも身体が小さい選手もいるが、胸板の厚さはしっかりしている選手が多い。
アルゼンチンには小柄な選手が多く、見た目だけでいうと岡崎慎司がアルゼンチン代表にいても何ら違和感はないだろう。
基本的に小柄でヒョロ揃いの日本人は、身体に重厚感を持たせるようにして世界を驚かせたい。
本田圭佑の身体は馬並みの馬力である
ある日、堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンターで日本代表の試合前の調整練習が行われた。
運良く我が母校の選手数名が、代表の練習相手をするということを聞き、私はすぐさま練習場所のメインフィールドに向かった。そして、思惑通りOB関係者としてピッチに入ることができた。
そこには当然、本田圭佑や長友佑都、香川真司や岡崎慎司ら代表の中心選手である海外組もいた。
パッと目に映った光景として印象に残ったことは、本田圭佑の身体の大きさがブラウン管を通して見るよりも数倍大きかったことだ。
これまで色んなJリーガーと一緒にプレーしてきたが、名古屋グランパス時代のウェズレイのお尻、京都サンガ時代の黒部光昭のふくらはぎ、ヴィッセル神戸時代の三浦カズの男前度は、どれも規格外であった。
ただ、当時中学生だった本田圭佑を久しぶりに間近で見ると、身体の上下バランスが非常によく、既に重厚感はピカイチで、プレー中でも簡単には倒されない理由がよく分かった。
名波浩の身体が日本人の標準である
2003年、イタリアのセリエAであるベネチアに移籍した現ジュビロ磐田監督の名波浩は、当時はまだまだ身体の線が細かった。Jリーガーとして、日本代表としても日本を代表する選手には違いなかったが、当時海外のスカウトや代理人からの目は厳しかった。
そんな身体であればイタリアでは通用しない。そして、名波浩は身体をひと回りもふた回りも大きくして当たり負けしない体を作り上げるため、肉体改造をすることになった。
筋力トレーニングは勿論であるが、最も過酷であったトレーニングの一つとして、試合前にパスタを食べて、試合直後に肉を喰うことを強いられていたようだ。それを毎試合続ける。
当時の名波浩の体は、目に見えるほど大きく当たり負けしなくなったとは言えないが、短期間で急造の身体を作り上げることの難しさを知ることができた。
サッカーの世界では、心技体、常に準備とトレーニングを続けなければ世界のトップには追いつけない。
小林裕希は今のままだと通用しない
キリンカップに参加する日本代表メンバーが発表されて、既に本田圭佑二世との声が上がっている選手がいる。それがジュビロ磐田所属の小林裕希だ。
彼のプロフィールはどこでも調べることができるので記載はしないが、注目したいのは強気な発言や最先端の髪型ではない。
そもそも小林裕希が日本代表に入るポテンシャルを秘めているのは多少なりとも分かる気がするが、ハリルホジッチが大久保嘉人を代表メンバーに呼ばなかった理由の1つでもあるイメージが湧かないと言う言葉が当てはまるのではないだろうか。
それは日本代表での話ではなく、今後世界を舞台に戦っていくであろう次世代選手の1人として、欧米リーグで活躍している彼のイメージが全く湧かない。
レフティと言う才能や、無回転と言った武器はあるが、それでも中田英寿のようなインパクトはなく、本田圭佑のような身体の芯の太さも今のところ見受けられず、二川孝広のようパスセンスやサッカーセンスもなさそうだ。
イメージが湧かない理由を明確にする必要はないが、小林裕希に足りないところは骨太感だ。
彼をMRIで診察したことはないが、仮にMRIで彼の足の輪切り画像を撮ったとすると、なんとなく骨が細そうで中身の肉のつまり具合が足りていない。冷凍みかんのようにカスカスではなさそうだが、シャウエッセンのようなパツンパツン感もない。
残念ながら彼の活躍がどこまで伸びるかは不明ではあるが、今のままだと残念ながらプレミアリーグ級ではなくJリーグ級にとどまるのではなかろうか。
ジュビロ磐田、もしくは日本代表のスタッフ陣は、彼がもうワンランク上のレベルに達するためにも、試合前にパスタを食べて、試合直後に肉を喰うことを提言してほしい。