Jリーガーほど不確実で不透明な職業はありません。所属クラブに在籍はしているものの、あくまでも確定申告を行う個人事業主。
マネージメント会社に属したとしても、高い報酬を毟り取られるだけで、利益をもたらしてくれるような完全なシステムが整っていないのが現状です。
たまにCMの出演依頼が入ることもありますが、そのほとんどは日本代表のトップクラスの選手だけであり、他にはクラブと繋がりある企業からの依頼か、Jリーガー本人の個人的な繋がりか。
本格的な将来設計をしているJリーガーは現役の中で何人いるのでしょうか。そして、Jリーガーではないアマチュアレベルで活躍するサッカー選手は、今後どのように収入を増やすのでしょうか。
本日は、そんな不確実な状態を少しでも確実な状態にするために、Jリーガーのみならず、全サッカー選手におすすめの方法について考えてみたいと思います。
サッカー人生、引退後の人生
サッカー選手である以上、サッカーでお金を稼ぐことができることは、それ以上ない喜びとやり甲斐を得ることができます。
しかし、一方でJリーガーの収入面における課題は多岐にわたっています。クラブの成績や監督との関係、運営元の財政状況などは、あなたのサッカー人生のみならず、人生そのものに大きな影響を与える要因と言ってもいいでしょう。
どんなにいい選手であっても、いいクラブに所属することができなければ、一般サラリーマンの平均収入と、ほぼ同等額の収入で生きていかなければなりません。
また、クラブの若返りなど、経営方針の転換による戦力外通告や、突然の怪我による戦線離脱(引退を含む)を考えると、先を読めない環境の中で生きている状態なのです。
サラリーマンにもリストラや倒産と言ったリスクは十分にありますが、サッカー選手の方がよりリスキーな人生を歩んでいると言っても過言ではありません。
現役を終えたJリーガーに待っているだろう現状を考えると、如何にして自分の将来を確実な(見える)状態にすることが出来るかが、大きなポイントになってくるのではないでしょうか。
Jリーガーは自分の力で投資を始めるべき
リスク面で考えると、究極論、1時間後に事故に遭遇してしまうことを考えると、人間皆平等にリスクを抱えることにはなりますが、収入面でのリスクはサッカー選手やサラリーマンには一長一短があります。
ここでは収入面での詳しい話はしませんが、別の切り口として誰もが平等に築き上げることができる「資産」について考えてみることにします。
資産だけを考えた時、個人として如何にその資産形成が出来ているかと言うことが重要となります。
それは、個人事業主であろうが給与所得者であろうが、アルバイトであろうが、資産を持つこと自体は誰にでも与えられた権利であり、その資産には色んな切り口(商品)があります。
ただ、資産形成をするにもある程度のお金がいるという意味では、サッカー選手の方がサラリーマンよりも一時的な収入(報酬)が多い分、資産を作るチャンスが多くあるように思います。
Jリーガーになると、ほとんどの選手は先輩Jリーガーから紹介された税理士などと契約することになり、普段の生活における収支や確定申告、または税金対策の相談をするだけで、何となく満足してしまっている状態になります。
ただ、それでは資産形成とは言えず、本来は自分がやるべきことをアウトソーシングして、外部にお金を流出しているだけに過ぎません。
※勿論、親身にアドバイスをしてくれる税理士もいる。
だからこそJリーガーは、毎日必死で削り合いながら得た収入を、それこそパチンコやコンパ、高級車や高級ファッションに多くを費やし支出を増やすのではなく、「資産」を作るための投資を始めるべきだと思います。
投資対象はどんな商品でもいいと思いますが、全くの無知の状態から投資を始めることで、その投資の本質や将来性を自分の知識として蓄え、それがゆくゆく資産と変貌するのであれば、不確実な状態を少しでも確実な状態にすることができるのではないでしょうか。
投資をすることは、人生の中長期的な計画、つまりは資産形成による人生設計(引退後の人生含む)を始めるキッカケとなるかもしれません。
今後のライフプランのために
Jリーガーは、周囲の同年代のサラリーマンと比較すると、少し早い段階で結婚する選手が多いように思います。
練習中は明日を生き抜くサッカー選手、練習以外は家族を支える大黒柱となり、一家を養っていかなければなりません。
Jリーガーの嫁はほとんどが専業主婦となり、家族みんなの将来(収入面)を支えるには、サッカー選手1人だけでは茨の道を歩むことになりそうです。
ただ、ほとんどの選手は「お金」について考えはするものの、結局は外部に任せっきりとなり、自身はサッカー選手としてサッカーだけに全身全霊をかけることになります。
それは当然のことなのですが、こんな被害の例もあります。
信頼して家庭のお財布を外部に預け、「お金」の全てを任せっきりにしたがために、約数千万円をマネージメントする者にくすねられる被害に遭ったJリーガーもいたのです。
そんな状況では、資産形成を始めるどころか、今ある資産管理から始めなければなりません。
現実的には、プロ生活を始めて最低5年が経ってから、ようやく資産形成を始めてみようとなるでしょう。しかし、それでは引退までの期間を考えると少し遅い気がします。
理想を言えば、Jリーグ新人研修で受けるであろう税理士や専門家の講習と同時に、投資を始めたいところです。
将来が不確実なことが間違いない状況ではありますが、自身のサッカー人生とその後の人生をより良く有意義なものにするためには、今すぐファイナンシャルプランナーのパートナーを見つけるべきです。
ただ、中には肩書きだけのプランナーがいるのが現状なので、最低数名のプランナーと話をすることをオススメします。
そして、プランナーにも強い専門分野があるので、最低でも「不動産」「保険」「税金」の3つの分野で、その道のプロとライフプランについて話をするべきです。
明日からでも遅くはありません。まずはプランナーと話をしてみてはいかがでしょうか。
さらに上をいくのであれば、自分自身のサッカー人生をプランニングするためにも、明日からファイナンシャルプランナーの勉強を始めてはいかがでしょうか。