サッカー指導者を始める前に知るべきこと


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数年前、指導者として10か月ほど育成年代であるU-12とU-15の選手を指導しました。指導者がどんなもんかと言うことが、この10か月の経験でなんとなく分かった気になっています。

指導者歴が10か月の分際で威張って言えるものではありませんが、指導者にとって必要な「環境」「スキル」「経験」について考えてみます。

皆さんこんにちこんばんは。「進化系サッカーメディアNEWJI」の立案者ryujinです。日本サッカー界の底上げのため、WEBとマーケティングを駆使し、あらゆる角度からサッカーネタを配信しています。

指導者に競争環境はないよね」でも述べた通り、日本のサッカー指導者の取り巻く環境は決していい環境とは言えません。指導者として成長する以前に、指導者を取り巻く問題や課題も山積みで、未だ解決されることはありません。

指導者を取り巻く環境


①少子化問題


日本の人口は減少しています。内閣府発表の少子高齢化を伴う、人口減少予測は下記の通り。
newji人口推移
出典:内閣府

只でさえ少ないU-15世代のパイを取り合う形となり、各チームで選手の獲得・呼び込み合戦が熾烈な争いとなっています。長い目でみてどの地域でサッカーを指導することが望ましいか、指導する地域にはどのようなライバルチームが居るか、その地域の将来の育成世代人口予測値はどのような状況に面しているか、それぞれを把握する必要があります。

参考までに、日本経済新聞よりデータ化されている人口に関わるナイスなサイトをご紹介します。
人口減少地図


②グランド問題


指導する地域でクラブの活動ができる場所をおさえなくてはなりません。それはプロフェッショナルでも同じです。一部のJリーグクラブでも固定された練習場がなく、日々転々と練習場を変更していることもあるのが現状です。競合となる相手は同じ地域のサッカークラブだけではなく、他のスポーツや自治体となることも忘れてはいけません。

要するに活動できるグランド数が圧倒的に少ないのはもちろん、小学校や中学校といった公的なグランドを借りることも、ハードルが非常に高くなっているのです。

更に、最近ではフットサルコートでスクール活動をしていることが多く見受けられますが、年間契約でもしない限り高額な施設利用料を支払うことになるでしょう。


③縄張り問題


グランド問題があることで、自然と活動場所を奪い合うことが考えられます。しかし、他のスポーツとのグランド確保争い(通常は抽選など)であれば、そこまで気にすることはありませんが、サッカークラブ同士のグランド確保争いとなると、抽選に参加するだけで最初からいるクラブに目をつけられることがあります。自ずと対象地域内での選手獲得争いも生じるわけで、縄張り争いの全面戦争が始まるわけです。


④ドーナツ化現象問題


Jリーグクラブのアカデミーに自然と選手が流れます。今後はJリーグクラブのホームタウン拡大によるアカデミー組織の拡大にも十分に注意しなければなりません。生き残りのためには、早々にアカデミーのフランチャイズとして看板を背負うことも一つの手段と言えます。

指導者に必要なスキル


①サッカーの理解度


サッカーを理解していなければ指導者は務まりません。指導力(リーダーシップ)があっても、サッカーを知らなければ選手は疑念を抱くでしょう。名選手でなくても名監督になることは良く聞く話ですが、サッカーを熟知していることが大前提となります。


②ポジションの専門性


指導者は現役中にGKを務めていたとなれば、GKコーチになることが通常でしょう。フィールドプレーヤーも同じことが言えます。DF出身の指導者がFWの選手にボールキープのコツを教えるには少し難があります。

選手目線で、これまで指導を受けた指導者の中で優秀な指導者を思い浮かべると、そのほとんどがDF出身の選手であったように思います。常に後ろから全体を見ているため、各ポジションで求められることや、サッカーの理解度が高いと考えられます。


③カテゴリの専門性


指導歴がU-12一筋と言う指導者は、U-12に特化した非常に高い専門性を持ち合わせています。カテゴリが違えば問題や課題も異なり、必然と異なる指導方法が求められます。専門性を追求するということは、指導領域は狭いが、非常に深い。所謂そのカテゴリのスペシャリストとなります。


④トレーニングメニューの専門性


毎日同じ練習メニューでは、選手も呼吸困難になります(自体験)。かといって、毎日違う練習メニューでも選手がついてこれないこともあります(自体験)。そもそも練習は試合のための練習であり、練習のための練習ではないため、試合を想定した(ゴールをするため)練習、もしくは試合で出来なかったことの補足が中心になるかもしれません。

どちらにせよ、練習の意図やテーマが明確でないと、選手は身体を動かすだけになってしまいます。基本的に選手は練習メニューを考えないので、選手を成長させることができるかは、指導者の練習メニューの組み方に大きく左右されます。毎日の練習メニューを考えることは、非常に大きな責任を問われる指導者のスキルとなります。


⑤指導者間のパイプ


サッカー界では指導者間のパイプ(人脈)が強くなければ、選手を育てる上で大きな壁とぶつかることになります。例えば、日常的なことで言うと、練習試合の設定、選手の獲得、選手の卒業後の進路、最新の情報交換などなど、サッカー界の指導者はどちらかと言うとデジタルではなくアナログな世界となっており、必要なことを行使するにはパイプが強いことに越したことはありません。


⑥夜のお付き合い


指導者は練習試合、全国大会問わず、ピッチ上ではかなり激しい争いが繰り広げられます。しかし、夜のお酒の席では、更なる戦いが待っています。絶対にあのクラブのあの指導者だけには、負けられない。夜の席ではピッチより激しい削り合いが繰り広げられる、絶対に負けられない戦いがそこにあるのです。もしかしたら、試合ではどうしても勝てないが、夜の試合では負けないことが、指導者間での評価を高めるかもしれません。


⑦ブランド力


自分を指導者としてブランド化させる必要があります。育成年代のクラブでは、クラブ=指導者の印象が強く、選手が集まるきっかけとなる口コミでも、指導者の指導力や指導方法が評価される場合が多いと思います。

また、指導者全てがクラブの運営者ではありません。監督=クラブ運営者が多い中、自分がコーチであれば、いつどこでどのようにチャンスが回ってくるか分かりません。準備することも大事ですが、そもそも自分の名前が売れていなければチャンスに巡り合う機会の数が異なります。

自分をブランド化して、所属クラブ以外からのオファーが来るような指導者になることで、指導者として大きく成長することになるかもしれません。

指導者としての経験


①指導者のビジョン


目標やビジョンがなければ、指導者人生を設計すること自体に無理が生じてしまいます。指導者はアルバイトやボランティアでない限り、長期的な取り組みが必須となり、ビジョンありきで色んな挑戦ができることになるでしょう。ビジョンなきリーダーは選手からの信頼を得ることはなく、迷いが生じ、淘汰されていくでしょう。


②育成年代指導経験


カテゴリが違えば指導方法も異なるのは当たり前の話です。自分の頭に描くサッカーが理想であるならば、育成年代の中でもU-12のカテゴリで指導経験を得ることをおすすめします。今後の指導者人生に大きな影響を与えるかもしれません。経験を積むというより、経験すると言った方がいいでしょうか。

なぜなら、U-12のカテゴリの選手からは「サッカーの本質」を改めて学ばせてくれるからです。上位カテゴリを指導すると、U-12の選手から感じ得た「サッカーの本質」を得ることができない可能性があります。ここで言うサッカーの本質とは、純粋な姿勢でサッカーを楽しむこと。指導しているサッカー選手の活躍や成長を願うならば、サッカーの本質を指導しながら、自分の理想のサッカーを展開することができる指導者となることです。


③指導のプロ経験


ここで言うプロとは、お金をもらうことです。指導者の指導を受けることで、報酬・対価が支払われること。すなわち指導者はプロである必要があります。例えそれが1円であってもプロです。

指導者は指導する立場として、指導に対する報酬・対価を得ることが必要で、決して指導以外での収入・報酬・対価を得ることがプロではありません。指導に対する「お金」を得ることが大事です。とくに、学校や大学の部活動で指導している指導者は、指導を評価されて報酬・対価を得て、指導者として本当のプロになる必要があります。


④海外経験


日本の指導者育成環境は決して悪くありません。ライセンス取得やステップアップの体制が完全には整っていませんが、仕組み(システム)と方針は世界的にも最先端を進んでいると考えられます。しかし、その指導法を数十年している結果がワールドカップベスト16であり、世界との差を埋めるに埋めれない状況であります。

選手は海外へ移籍することが多くなりましたが、まだまだ本当の意味で大活躍している選手は多くありません。選手自身のレベルが向上する一方で、指導者レベルだけが国内レベルで留まっています。

日本代表歴代監督を見ても、日本サッカー協会はサッカー界のトップであるにも関わらず、日本人の監督就任を決定することができていません。いわば、日本人の指導者に日本代表を任せることができないでいます。日本のサッカー界のトップが日本の指導者を認めていないことは死活問題です。

これからの指導者は、自分自身で海外経験や海外サッカーの指導法を積極的に学ぶ必要があります。国内に留まるだけが得策とは思えません。


⑤クラブ運営力


指導と運営は全く異なります。指導がうまくても運営がおざなりであれば、破綻するかもしれません。逆に運営がうまくても、指導が悪ければ選手が集まらないかもしれません。指導者であれば、自分のクラブをいずれ持ちたいと言う願望があると思います。

他の人の敷地内で指導する機会があるならば、運営内部を深く踏み込むことが今後の指導者人生に役立つかもしれません。しかし、本当のところ、実際に自分で運営するのと雇われるのと、180度立場も視野も見える景色も考えることも異なります。イメージトレーニングや勉強はいつでもどこでも誰でもできることを忘れてはいけません。

指導者として

長々とご覧いただきましてありがとうございます。僅か10か月の指導歴であるペーペーから見た、サッカー指導者に必要な「環境」「スキル」「経験」をまとめてみました。

冒頭のリンク記事の内容に戻りますが、今後はサッカー界で育成年代の指導者によるレンタル移籍が新たな指導者人生の選択肢の一つになると思います。

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生田(榊)隆司
生田(榊)隆司NEWJI Founder
Soccer Owned Media「NEWJI」Founder。100万PVを目指して、日々妄想と執筆をしている。
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