Jリーグが2017年シーズン以降の放映権について、世界最大手のデジタル・スポーツコンテンツ配信会社パフォーム社と契約を結ぶことになるようだ。
複数年契約で年間130億円の大型契約になる見通しだと報じられており、この金額はこれまでJリーグを独占していたスカパー!との契約金額をはるかに上回り、約4倍以上の放映権収入がJリーグは手にすることとなる。
これまで大きな冒険をすることなく確実に前に進んできたJリーグだが、突如現れた大型の放映権収入。いきなりお金を持つとほとんどの人が破産する宝くじ当選者のようなことになるのか、それともfacebookやスタートアップと言った勢いある企業のように成長するのか、Jリーグが蘇るかどうかはこの軍資金となる放映権の使い道にある。
パフォーム社とはこんな集団だ
これまで聞いたことのない企業名だから、何をしている会社か分からない人のために、まずはパフォーム社の紹介をしよう。
Perform Group
Sussex House Plane Tree Crescent Feltham, TW13 7HE, UK
www.performgroup.com
元々はイギリスに本社を置くデジタル・スポーツコンテンツ配信会社。日本にも支社はあるようで、サッカー人にとって一番分かりやすい方法でご紹介するとすれば、このサイトを運営している会社と言えば伝わるだろうか。
また、彼らは世界中で最も有名なサッカーサイトである「Goal.comを」を運営しているのだ。
パフォーム社は、世界中の様々なスポーツコンテンツホルダーと契約し、コンテンツの企画から制作・運用までを行い、彼らが運営しているデジタルプラットフォームを通じて世界中のスポーツファンと企業にサービスを提供している。
そして、世界に先駆けて日本国内では、「好きなときに好きなスポーツを観戦できるオーバー・ザ・トップ(OTT)サービス」を展開しており、DAZNでJリーグに新しい風を呼ぶ。
OTTとはIT用語の一つで、「Over The Top」の略称です。インターネット回線を通じて、メッセージや音声、動画コンテンツなどを提供する、通信事業者以外の企業のことを、OTTと呼びます。
出典:http://www.hivelocity.co.jp/
これまでになかったプレミアムなスポーツ観戦を可能にすることで、これまでのスポーツ視聴体験に革命を起こしてくれるはずです。
Jリーグは蘇るのだろうか
すでに色んな夢プランが報じられています。それはヨーロッパクラブからJリーグクラブへの大型移籍です。
放映権収入がJリーグクラブにどう配分されるかは割愛しますが、クラブが手にする軍資金は確実に増えることになり、原博実副チェアマンを中心にクラブが大型選手や監督と契約する際の一部を負担する特別ルールを設定する動きもあります。
もし、そうなればJリーグで一番見たいのはメッシでもなくネイマールでもなくクリスティアーノ・ロナウドでもなく、イブラヒモビッチです。
ただ、いくらお金を払っても選手から見てJリーグに魅力がなければ移籍しようとは思いません。中東クラブや中国の一部の金満クラブのような報酬をもらえるのであれば、考える余地はあるかもしれません。
しかし、いくら多額の放映権料を得たとしても、Jリーグのキャパとして支払える額はそこまで大きくはないでしょう。
一番の問題は、メッシやネイマールがJリーグでプレーする魅力を感じるかどうかです。彼らは決してお金のためにサッカーをするのではなく、本物のサッカーをしたいがためにビッグクラブへ移籍するのです。
Jリーグに新規ファンを呼び込み取り込むチャンス
とは言え、確実にこれまでよりも名のある選手がJリーグに流れてくる可能性は大いにあります。
それは、世界各国の仲介人がJリーグに注目しており、さらにこれまでネックとなっていた給与面でも多少の交渉ができるような環境が整いつつあるからです。
日本で活躍する仲介人にとってもチャンスです。ビッグ選手をJリーグに連れてくることが出来れば、それだけで多額の契約料と多額の報酬を得られるのです。
長友佑都の仲介人している明治大学の同期生は、長友佑都1人だけで莫大な報酬を得ています。要するに、1人だけでも有名な選手を連れてくるだけで、かなり美味しいビジネスのネタとなるのです。
もし有名な選手を獲得することが出来れば、確実に今スタジアムに足を運び観戦していない新規顧客を呼ぶキッカケになるでしょう。
クラブが積極的にマーケティング活動をしなかったとしても、メディアがその選手を積極的に取り上げ、活躍次第ではその選手のゴールシーンを初めて見た人が、スタジアムで選手を観てみたいなんて言い出すかもしれません。
とにかく、Jリーグが蘇るかどうかは選手の獲得だけではなく、莫大な資金の使い方に大きく影響を受けることになるでしょう。
もう、お金がないなんて言い訳が出来なくなる首脳陣の真価が問われるシーズンとなるかもしれません。