海外移籍の経歴に並ぶ西暦を、誰も引き算していない

移籍を伝える記事の経歴欄に、載っていない数字がひとつある。ユースに入った年も、トップに上がった年も、海を渡った年も、西暦はきちんと並んでいる。その西暦どうしを引き算した数字だけが、どこにも置かれていない。

FC町田ゼルビアのDF中山雄太選手がセルビア1部のレッドスターへ完全移籍したときの記事には、柏レイソルU-18から2015年にトップチーム昇格、2年目から主力、柏での4シーズンを経て2019年1月にオランダのズウォレへ、と書かれていました。ズウォレでの公式戦は84試合。今回の契約は3シーズンで1年の延長オプション付き、背番号は3。ここで西暦を二つ取り出して引くと、ユースから上がって国外に出るまでが4シーズン。経歴の中に答えは全部あるのに、その一つの数字だけは誰も書き出さない。

クロアチアサッカー連盟が主催するイストラ・ユース・カップ2026が、メドゥリンにあるスポーツセンター・アレーナのピッチで行われています。出場するのは8つの代表で、グループAがイタリア、韓国、ウクライナ、トルコ、グループBがクロアチア、ハンガリー、ノルウェー、オーストリア。9月26日に始まり、10月6日の7位決定戦、5位決定戦、3位決定戦、決勝で終わる日程。

U-17という三文字だけで、8つの国が同じ日程表に並ぶ。年齢の線は国境をまたいで共通なので、17歳の時点までは各国を横に比べられます。ただ、この線で測れるのは「この大会に出られるかどうか」まで。17歳が21歳になるまでの四年間を、どの国がどう配っているかは、対戦表のどこにも出てこない。日本の育成年代について数えたいのは、そちらのほう。

数えようとすると、日本ではまず「いつを起点にするか」でつまずきます。トップ昇格の一行を始まりに置きたくなるけれど、その手前に別の出方が二つある。高校生年代のチームに所属したままJの公式戦に出る2種登録。大学や高校に籍を置いたまま受入先のJクラブの選手として出るJFA・Jリーグ特別指定。どちらも所属を変えないまま公式戦のピッチに立つ道で、2026年からはU-21 Jリーグという出場の場も並びました。

しかも特別指定には、出場した試合がプロA契約・プロB契約の締結条件の対象試合だった場合、その出場時間が、将来はじめてプロ契約を結んだときに加算される、という決まりがある。アマチュアのうちに積んだ分が、後の契約の区分に効いてくるということ。だから17歳で明治安田Jリーグのピッチに初めて立った選手と、19歳でトップ契約を結んでから初めて出た選手では、同じ「昇格1年目」でも中に入っているものが違います。昇格の年を起点にそろえると、この差が全部消える。

起点は、公式戦に初めて出た年に置いたほうがいい。2種登録でも特別指定でもかまわない。終点は、国外のクラブの選手として登録された年。この二つを引いた数字を、選手ごとに一つずつ並べていく。以前8月の特別指定の所属欄を大学と高校で数えたときは、大学の名前が十二に対して高校が二つでした。所属の内訳が数で出せるなら、年数も同じやり方で出せるはず。

4シーズンという数字がひとつあっても、そこからは何も言えない。20人分、50人分と並んで、初めて日本の育成年代の出口が何年でできているかが見えてくる。若いうちに出たほうがいい、いや国内で試合に出てからだ、という話は、いまのところ誰かの印象と、その人が覚えている数人の名前で回っています。分布があれば、どのあたりに固まっていて、どこが薄いのかを指で指せる。薄いところがあるなら、そこに何が足りないのかという問いに進める。

次に18歳や19歳の海外移籍の一報が出たら、加入先のリーグ名より先に、日本で初めて公式戦に出た年と海を渡った年の二つを書き写し、その差を数えておく。

出典: hns.team(2026-09-26)

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