22人と4名。女子の海外経験は、まだチームにではなく個人に配られている

4名。JFAの選手育成のところに出ている海外留学の案内を順に開いていくと、女子の派遣はこの人数で書かれている。2025年度にバイエルン・ミュンヘン女子へ送ったときが4名、2026年度にU-17日本女子代表を同じクラブへ送る第2弾も4名。二年続けて同じ数字が並んでいます。

南アフリカサッカー協会のガールズアカデミーが、9日間の欧州ツアーを終えてプレトリアに戻ったと協会が公表しました。9月30日に出発し、滞在はポルトガル。選手22人に、帯同したスタッフが8人。現地では4試合を組み、ポルトのU17と0-0、ブラガのU17に3-0、ファマリカンのU18に3-1、リオ・ティントのシニアと1-1。アカデミーの責任者マウデ・クマロは、13歳で初めてヨーロッパへ行った子が何人もいて、怖がりもせず自分でやれていた、と話している。

22人というのは、自分たちだけで紅白戦が組める人数。そして相手の国へ行って、自分たちの名前で4試合やって、スコアが記録に残る人数でもある。日本の女子に配られている4名は、そうではない。

4名で行くと、試合は組めない

育成年代応援プロジェクト JFA アディダス DREAM ROAD は2023年度から。初年度はレアル・ソシエダードに4名、バイエルン・ミュンヘンに6名、フラムFCに5名、もう一度レアル・ソシエダードに4名。2024年度はリバープレート、ロサンゼルス・ギャラクシー、バイエルン・ミュンヘンが各4名、UANLティグレスが4名、コモ1907が5名。行き先は欧州だけでなく南米にも北米にも伸びていて、回数も年に複数回ある。ただし一回の人数は、どこへ行っても4名から6名のあいだ。

女子が入ったのは2025年度で、バイエルン・ミュンヘン女子へ8月15日から30日まで、4名。これが女子を対象にした初めての海外留学とされている。2026年度の第2弾は、U-17日本女子代表の4名。マイナビ仙台レディースユースの樋口らら選手(高校3年)、INAC神戸の北村礼選手の名前が挙がっています。

4名で現地に着いたとき、そこでできることは先に決まってしまう。相手を探して試合を組むのではなく、向こうのチームに混ぜてもらう形になる。南アフリカの22人がポルトやブラガと自分たちの名前で並んで、0-0や3-1という数字を持ち帰ったのに対して、4名の二週間にはその数字が立たない。何をしてきたかを説明する言葉が、本人の感想のほうにしか残らない。

クラブが自分のアカデミーを連れて出る遠征なら、日本にもある。アカデミーの遠征先を国の名前で数えたときは、半分がアジアだった。チーム単位で何十人かを乗せて出る形は、国内でもすでに動いている。女子の海外経験だけが、いまのところ個人に配られる形で始まっている。

帰ってきた先が、全員ちがう

4名の所属を見ると、仙台と神戸。別のクラブです。帰国して最初の練習で、その二週間の話をする相手が同じ更衣室にいない。22人で行ったチームなら、戻った日の月曜から、全員が同じものを見た前提で練習が始められる。一緒に行った誰かが同じ場面を覚えているかどうかは、持ち帰ったものがその子一人の記憶で終わるか、チームの共通の話になるかを分ける。

南アフリカ側は、この9日間を国内で待つための準備だと言っている。代表に呼ばれてから移動と試合に苦労する子がいるので、その前に慣らしておく。コーチどうしでも、ポジション別の指導者と方法論の話をしてきた、と。やっているのは一人ひとりの経験づくりであると同時に、アカデミーという組織ごと外気に当てることでもある。

日本の女子育成に海外経験が足りない、という言い方は前からある。ただ、足りないのは選手の意欲でも語学でもなく、年に何人ぶん用意されているかという人数の行のほう。男子は2023年度から年に何度も回り、女子は2025年度に始まって年1回・4名。誰が選ばれるかの話をするには、まだ分母が小さすぎる。

次に女子の派遣の案内が出たときは、行き先のクラブ名より先に人数の行から読んで、4という数字が動いた年を控えておきたい。

出典: www.safa.net(2026-10-12)

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