2日目と3日目の結果が、どこにも残っていない。勝った行も負けた行も、最初から生まれていない。
9月19日から21日まで、静岡県の時之栖スポーツセンターで行われる予定だったNEW BALANCE CHAMPIONSHIP 2026 U-16。台風第25号の接近を受け、大会1日目の競技をもって中断し、2日目以降の競技は実施しない、と大会事務局が出しています。順延ではなく、そこで終わり。消えたのは何試合かではなく、2日という日数のほうでした。
同じころ、西アフリカのU-17の大会が進んでいます。ガーナのBlack Starletsがベナンに3-1で勝ち、グループステージを1試合残して準決勝進出を決めた。監督のKassim Ocanseyは、この大会に三つの目標を持ってきたと話しています。準決勝に行くこと、決勝に進んで2027年のU-17アフリカネイションズカップの出場権を取ること、トロフィーを掲げること。一つ目は達成した、あと二つを追う、と。
目標を三つに割って数えるところより、「1試合残して」のほうが気になった。勝ち上がりが決まったあとにも、まだピッチに立つ日が一日ぶん手元に残っている。日程に余りがある。静岡の3日間には、その余りがなかった。
1会場に固めるということは、その会場の空に全部を預けるということ
全国規模のU-16の大会を、1会場・連続3日で組む。これは特別な組み方ではない。高校1年生から2年生にかけての年代は平日に学校があるので、ある程度の試合数をまとめて消化しようとすれば、連休に合わせて一か所へ集めるしかなくなる。毎週末に1試合ずつ積み上がっていくプリンスリーグのようなリーグ戦と、三日で全部やってしまう大会が、同じ一年の中に並んで走っている。
一か所に集めた時点で、その会場の天気が大会そのものの天気になります。会場が散っていれば一つが荒れても別の面は動くけれど、時之栖の空が荒れたら、来ているチームが同時に止まる。しかも翌週へずらす先がない。グラウンドも宿も審判も、その3日のために押さえられている。順延ではなく打ち切りという処理のされ方は、運の悪さというより、1会場・連続3日という組み方に最初から入っていたものではないかと。
日数を先に払っているのは選手と家庭のほう
静岡の一か所に全国から集まる以上、移動の日は試合の日より先に始まっている。交通も宿泊も、大会が始まる前に動いている。1日目で打ち切りになっても、そこまでに出ていった時間と費用が戻ってくるわけではありません。
そして、1日目に出た選手と、2日目以降に出る予定だった選手がいる。打ち切られた大会に残るのは前者の記録だけで、後者の子は全国規模の大会に行って、ピッチに立たずに帰ってきたことになる。誰かが判断を誤ったという話ではない。3日に詰めて、しかも全チームが同じ会場にいる、という置き方がそうさせている。
日本の育成年代は、日程の密度が年代ごとに極端に振れます。同じ年代の近くでも、U-13の県リーグで節と節のあいだが三週間あく日程があり、その一方でU-16の全国規模の大会は3日に凝縮される。三週間に1試合と、3日に複数試合。どちらも同じ国の、同じ年ごろの子どもの一年の中にある。
要項の最初の二行で、だいたい分かる
暑さにせよ台風にせよ、気象は毎年来る。来ることが分かっているものに対して、大会側が持てる余裕は二つしかない。会場を分けるか、日数に余りを作るか。どちらも金と人手がいるので、言うほど簡単ではない。
ただ、要項を読む側としては、難しい判断をしなくていい。何日間でやるのか、何会場でやるのか。その二行を見れば、その大会が天候に対してどれだけ逃げ場を持っているかが見えます。3日・1会場と書いてあれば、1日が消えた時点で三分の一が消える。4日・2会場なら、まだ組み替える余地がある。
優勝チームの名前と、個人賞の名前。大会が終わったあとに流れてくるのはいつもその二つで、終わらなかった大会のことは、翌週にはもう誰も書かない。1日目の結果だけが残って閉じた大会があったことは、来年の要項には書かれない。
だから来年、同じ名前の大会の案内が出たら、出場チームの顔ぶれより先に、何日間・何会場と書いてある二行を探す。
出典: www.ghanafa.org(2026-10-14)