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Jリーグ競争主義で観客は増えるのか


昨年度から本格的に議論されてきたJリーグ配分金の変革。村井チェアマンのインタビューがNewsPicksで掲載されていました。

護送船団方式を止め、競争主義でJリーグを変える

今回取り入れた競争主義と言う言葉には、下位クラブやサポーターも含め、賛否両論が飛び交っています。

Jリーグが掲げる傾斜配分は、誰の目線で何の目的でどのようなことをするのでしょうか。


J3まで拡げてからのドーン



1993年に開幕したJリーグですが、2015年度で23年目に突入しています。これからJリーグに加入する選手は生まれた時から既にプロサッカーが存在していました。

Jリーグは設立初期の段階からJリーグ百年構想を掲げ戦略的にクラブ数を増やしており、今では既にJ1~J3までのプロサッカーのカテゴリーでは合計51クラブが各地に点在しています。

準加盟や新規にJリーグを目指すクラブは今もなお増えており、下カテゴリーに所属するクラブの選手は、プロサッカー選手と言ってもサッカーだけで生計を立てることは不可能な状況に立たされています。

そんな状況下、Jリーグは村井満チェアマンが2016年シーズンより、Jリーグクラブに均等分配されていたスポンサー料・放映権料を順位別に傾斜分配すると言う方針をJリーグ理事会で決議させ、Jリーグ全クラブもそれに同意したとしています。

このような方針の元、Jリーグに所属するクラブは、実力主義と言う名目で体力(資金)勝負のスタートをきらされたと言っても過言ではないでしょう。


出典:http://news.livedoor.com/

3億超えの違約金を払っても、全く痛くもかゆくもない中国企業のスポンサー獲得が、下位クラブの生き残りをかけた生命線となる日が本当に来るかもしれません。


Jリーグを支えてきた護送船団の船長たち


村井チェアマンはJリーグにメスを入れました。これまでのJリーグ運営を昨年度から度々「護送船団方式」と豪語し、過去の船長たちが築いてきた22年の歴史にザクっとメスを入れたのです。

護送船団方式とは

特定の産業において最も体力のない企業が落伍しないよう、監督官庁がその産業全体を管理・指導しながら収益・競争力を確保すること。

出典:https://kotobank.jp/

過去の船長は以下の通り。

初代 川淵三郎
生年月日 1936年12月3日(78歳)
任期 1991-2002年
経歴 日本代表選手
日本代表監督
第10代日本サッカー協会会長

第2代 鈴木昌
生年月日 1935年12月15日(79歳)
任期 2002-2006年
経歴 鹿島運輸社長
鹿島アントラーズ代表取締役社長
日本サッカー協会副会長

第3代 鬼武健二
生年月日 1939年9月19日(75歳)
任期 2006-2010年
経歴 ヤンマー監督
ヤンマーマリナックス社長
セレッソ大阪社長
日本サッカー協会副会長

第4代 大東和美
生年月日 1948年10月22日(66歳)
任期 2010-2014年
経歴 住友金属工業四国支社長
住友金属工業九州支社長
鹿島アントラーズ代表取締役社長

第5代 村井満
生年月日 1959年8月2日(55歳)
任期 2014年-
経歴 リクルートエージェント社長
リクルート本社執行役員


3つの傾斜配分



Jリーグクラブの実力主義規制が緩和されつつある今、ビッグクラブの誕生やスター選手の獲得戦にJリーグクラブが参入できるような環境が整いつつありますが、Jリーグは傾斜配分を導入するのが少し遅かったかもしれません。

1993年にJリーグが開幕し、Jリーグ全体の観客動員数は2回ほどピークを迎え、毎年クラブ数を増やすことで右肩上がりの成長戦略を見せているかのような報告をしています。
しかし、実際の観客動員数の推移は、完全な横ばいまたは微減微増の繰り返しであり、1番の問題点はその観客層が毎年1歳年齢を重ねていることにあります。

傾斜配分の金額は決して多くはないでしょうが、上位と下位で差が出ることは今後明らかとなり、特にその上位クラブが果たして傾斜配分により観客動員数を増やすことができるか、若年層を取り囲むことができるか、そこが傾斜配分の争点となるのではないでしょうか。

スポンサー収入の傾斜配分


いつまでたってもスポンサーありきの興行が主体となっているJリーグです。

リーグタイトルなどJリーグにつくスポンサーが実施するアンケートやマーケティングに対するアクティベーションやキャンペーンの協力度が傾斜配分の評価基準となるようです。

観客主体の興行にシフトすることができなければ、いつまで経ってもスポンサーと負んぶに抱っこで、観客動員数は横ばい微減微増を繰り返すことになるでしょう。

放映権料の傾斜配分


村井チェアマンは放映権料の傾斜配分に関して以下のように述べています。

Jリーグの試合を放送していただいている「スカパー!」さまからの放映権料を、段階的に傾斜配分することにしました。スカパー!のJリーグの視聴を申し込む際に、どのクラブのサポーターかという質問を設けて、加入数に応じて放映権料を分配するのです。

出典:https://newspicks.com/

ここではJリーグを観るためにスカパー!へ加入する消費者が、どこかのクラブのサポーターであることが前提条件とされていますが、私のようにどこのサポーターでもない人は無理矢理どこかのクラブを選択する必要があるのでしょうか。

新たにJリーグに興味を持ち始めた新規ライト層にアプローチするには少し拷問的な感じがしてなりません。

考えようでは選択することでそのサポーターのファンやサポーターとなるキッカケとなるかもしれませんが、その数が傾斜分配に直結するのであれば、なぜ、Jリーグクラブがこの曖昧な条件をのんでしまったのでしょうか。

  
出典:https://newspicks.com/

ホリエモンこと堀江貴文氏のコメントについている語尾の「。。」が、村井チェアマンに対してJリーグ全体に対して何かを言いたそうな雰囲気が出ているように見えます。

順位の傾斜配分


まだ正式に発表されているのかいないのかよく分かりませんが、どれぐらいの金額が上位と下位で差がつくのでしょうか。

おそらく多くても1億、今のJリーグ規模であれば7000万ぐらいが差をつけるとして妥当な数字となるのでしょうか。

2015シーズンで言うとJリーグの1stステージ、2ndステージ優勝で5000万×2、そして年間優勝で1億、年間勝点1位で8000万、どんなに頑張っても2億8000万が最高地点です。

そんな中、遠藤保仁を1人獲得して1億8000万(推定)。レナトを売り出して3億ちょい。順位が優勝以外であれば、やはりまだまだ選手を他クラブに売り出すビジネスを優先したほうが儲かりそうな気がします。

村井チェアマンが決断した傾斜配分で、Jリーグの観客動員数が激増することを改めて望みます。

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