「久保建英はなぜあれほどメンタルが強いのか」。検索でここにたどり着いた方が知りたいのは、この一点ではないでしょうか。
久保建英は、その問いに対する答えを自分の言葉で語っています。「僕はサッカーだけですけど、自信がなかったことがない」。以下では、この発言が飛び出したイベントでの久保の言葉を出典付きで整理し、発言を裏付けるキャリアの歩みと、若手選手が学べる要点をまとめます(2026年8月19日時点)。
※メンタルの話は時間軸で3本に分けています。「土台づくり」を扱うのがこちら:自信をどう積むか、日常で何を考えるか。試合中に頭に血が上ったときは冷静さを保つ方法、ミスをした後や、レギュラーを外されたときはミスからの立ち直り方をどうぞ。
「自信がなかったことがない」:発言の中身と文脈
この発言が出たのは、2024年6月12日に行われたアディダスの新スパイク「F50」発表イベントと、同日に開催された高校生年代25人のセレクション企画「THE FAST」でのことです(FOOTBALL ZONEの記事)。
参加した選手から「どうしたら自分に自信を持ってプレーできますか」と問われた久保の答えです。
僕はサッカーだけですけど、自信がなかったことがない
久保建英、FOOTBALL ZONE「『僕は自信がなかったことがない』…久保建英、高校生年代に説いた飛躍への心構え」(2024年6月12日)より
続けて、自信の役割についてこう語っています。
難しいんですけど、自分が自信を持ってプレーしないと、自分の100%は出せない。いつどこでどんなチャンスが転がっているか分からないので、いつ何時も自分の100%を出せるようにしてほしい。メンタルどうこうという話は好きではないが、常にそういう気持ちで試合や練習に取り組んでほしい
久保建英、FOOTBALL ZONE「『僕は自信がなかったことがない』…久保建英、高校生年代に説いた飛躍への心構え」(2024年6月12日)より
自分が自信を持ってプレーしないと自分の100%は出せない。だからこそ、いかに自信を持って100%を出すかが大切で、その自信は自分でしか得ることができないというわけです。生まれつきの強気ではなく、「100%を出すための道具」として自信を位置づけているのがポイントです。
失敗への向き合い方:ミスの直後に「同じプレー」を選ぶ
同じイベントで久保は、ミスへの対処法も具体的に明かしています。
あえて同じプレーをトライしてみる
久保建英、FOOTBALL ZONE「『僕は自信がなかったことがない』…久保建英、高校生年代に説いた飛躍への心構え」(2024年6月12日)より
その心について、続けてこう説明しています。
どうしてもミスは頭に残りがちなので、あえて同じアクションをしてみて、成功して成功体験を植え付けることが大事だと思います。例えば、コントロールでミスしてしまったら同じコントロールを要求するとか、縦パスをミスしたら同じ縦パスをトライしてみる
久保建英、FOOTBALL ZONE「『僕は自信がなかったことがない』…久保建英、高校生年代に説いた飛躍への心構え」(2024年6月12日)より
失敗を引きずって次のプレーが消極的になるのではなく、その場で成功体験に上書きしてしまう。自信を「積み重ねて作るもの」として扱う、久保らしい実践的な方法論です。
一方で久保は、抽象的なメンタル論を語ることを好みません。上記の発言でも触れているとおり、メンタルがどうこうという話は好きではないとした上で、すべての試合と練習で100%を出し続けることの大切さを強調しています。精神論ではなく、準備と実行の積み重ねがメンタルの正体だという考え方です。
発言を裏付けるキャリア:岐路で試されてきた
この言葉に説得力を与えているのが、久保のキャリアです。10歳でバルセロナの育成組織に入りながら、クラブがFIFAから受けた制裁(18歳未満の国際移籍に関する規定違反)の影響という、自身にはどうにもできない理由で日本へ帰国。FC東京で10代半ばからプロの公式戦を経験し、2019年にレアル・マドリードへ移籍した後は、マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェとレンタル移籍を渡り歩きました。出場機会が保証されない環境を繰り返し経験した末に、2022年に加入したレアル・ソシエダで絶対的な主力の座をつかんでいます(経歴はTransfermarktの選手プロフィール参照)。
2026年夏にはワールドカップを日本代表の中心選手として戦い、大会後はワールドカップ出場組でチーム一番乗りとなる7月23日にソシエダへ合流。2026-27シーズンはソシエダで5年目を迎え、8月上旬にはプレシーズンマッチにも復帰しています(サッカーキングの報道)。「どこでチャンスが転がっているか分からないから、いつ何時も100%を出せるように」という自身の言葉を、キャリアそのもので体現し続けていると言えます。
若手選手が学べる3つの要点
久保の発言から、育成年代の選手が持ち帰れるポイントを整理します。
1つ目は、自信は待っていても手に入らないということ。「自信は自分でしか得ることができない」という言葉のとおり、日々の練習で「これだけやった」と言える準備を積むことが自信の土台になります。
2つ目は、失敗の直後こそ同じプレーに挑むこと。ミスを恐れてプレーを変えるのではなく、成功体験で上書きする。この習慣が、試合終盤でも消極的にならないメンタルを作ります。
3つ目は、競争の場では「自分が一番」と思って臨むこと。久保はセレクションに参加した25人へ、こう呼びかけました。
明確なチャンスだと思うので(参加する)25名のなかで自分が一番だと思って、しっかり競い合って次のチャンスに向かって羽ばたいてほしいなと思います
久保建英、FOOTBALL ZONE「『僕は自信がなかったことがない』…久保建英、高校生年代に説いた飛躍への心構え」(2024年6月12日)より
謙虚さは努力に、強気はプレーに。使い分けこそがプロの心構えです。
メンタルの強さで世界のトップに立った選手としては、C・ロナウドのメンタルと努力の記事でも成功の考え方を解説しています。あわせて参考にしてください。


