【対談コラム】サッカー × それぞれの視点
サッカーを軸に異なるフィールドで活躍する3名が集い、それぞれの視点から語り合う対談コラム。
育成年代の指導に最前線で携わる元プロサッカー選手・遠藤。
IT企業を経営しながら、年に一度だけピッチに立つ現役サッカー選手・生田。
サッカーに関心を持ち、サッカーを語ることを楽しむ女優・櫻井。
サッカーという共通のテーマを持ちながら、それぞれの立場や経験が異なる3人。
指導者の目線、経営者の視点、そしてサッカーを楽しむ側の感性。
交わることで生まれる新たな気づきや発見を、ぜひお楽しみください!
生田:なるほど、Jリーグではプレータイムを増やすために新しい試みをしているんですね。でも、そのやり方には問題が生じているようですね。審判のジャッジの精度が落ちるというのは大きな懸念です。
遠藤:その通りだね、生田。プレータイムを増やすこと自体は意図としては理解できるけど、プレーを流すことで危険な状況が増えるのは本末転倒だよ。選手の安全が第一、そこを忘れてはならない。
櫻井:でも、どうしてそんなにプレータイムを増やすことにこだわるんでしょうか?選手たちも急いでプレーしなきゃならなくなって、怪我とか心配ですよね。
生田:おそらく、ヨーロッパのトップリーグと比較して、もっとスピーディーでエキサイティングな試合にしたいという風潮があるんでしょうね。ビジネスの世界でも、競争相手の良いところを取り入れるのは常策ですが、サッカーの場合、選手の健康がかかっているからなおさら慎重にやらないと。
遠藤:うん、特に審判の判断が誤って危険なファウルが見逃される事態は避けたいね。もちろん、試合の流れを良くしたい気持ちも分かるけど、まずはプレー再開にかかる余分な時間を見直すところからするべきだと思う。
櫻井:具体的には、どうしたらいいんでしょう?セットプレーやスローインとかが時間を食うって話だったけど。
生田:そうですね、他のスポーツでも見られますが、ルーチンを減らしたり、時間制限を設けるのは一つの手でしょう。例えば、ゴールキックやスローインをもっと迅速に行うようにルールを変更するとか。
遠藤:その通り、それに事前に練習でセットプレーの時間を短縮するためのルーチンを導入すると、選手たちも慣れてきて自然とスピーディーに動けるようになるでしょう。
櫻井:でも実際、スピーディーにすることで技術が落ちるって書いてありましたけど、選手たちはどう感じているんでしょう?
生田:それはまさに難しいところ。どんなにスピードアップしても、技術の精度を保てるようにするには、普段の練習の積み重ねが重要です。どの業界もそうですが、質を犠牲にしてはいけない。
遠藤:うん、急ぎながらも精確にプレーすることはプロとして常に求められることだけど、まずはプレーヤーが安心してプレーできる環境を整えるのが最優先だ。
櫻井:ヨーロッパではどうやっているんでしょうか?例えば、危険なファウルは容赦なく笛を吹くと書いてありましたよね。
生田:それを実施しているからこそ、選手同士のフェアプレーが保たれるし、報復行為も抑制されるんでしょうね。ITの開発でもバグは早期に対処しないと不具合が連鎖するし、それと似た考え方ですね。
遠藤:そうだね、ある意味でゲームの質の維持にはルールとマナーが不可欠だよ。報復が少なく、クリーンな試合を行うことが観客にとっても選手にとっても魅力的な試合になる。
櫻井:なるほど、観客としても安心して見ていられるのがいいですね。でも急いでプレーするから選手の集中力も要求されるんじゃないですか?
生田:そうですね、でも集中力は一定のプレッシャー下でのプレーを習慣にすることで養われます。サッカーもビジネスも、それぞれのシーンでのベストを尽くすことが肝心です。
遠藤:良い指摘だね、生田。最終的には、プレーヤーの能力と試合環境を最大限に引き出すことを目指すべきだと強く思う。どちらもバランスが重要だから。
櫻井:これからの試合運びには、サポーターとしても選手のために応援して、彼らがより良いプレーをできるよう支えていかなきゃですね。