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もうサッカーで世界との差がどうこう言うような時代ではない


少しだけオリンピックを振り返ってみたい。藤春廣輝はリオオリンピックでオーバーエイジとして活躍したが、思った成績と実力を出せず終いで大会を去った。


彼にとって国際舞台は初の挑戦となったが、すでに年齢は28歳だった。


リオ五輪は、国際大会で戦うことが初めての僕にとって、自分に足りないものを見つけられたし、とてもいい経験となりいい刺激を受けました。
五輪前に戦ったブラジルは「追いつけるんかな(笑)。」と思ったし、技術、身体能力など「100倍くらい違うんちゃうか。」というくらい差を感じました。
この経験は大きいと思うので、感じたあのレベルをJリーグで活かさないといけないし、チームでしっかりやっていきたい。

出典:ガンバ大阪公式Facebookページ


28歳で感じる世界と16歳で感じる世界は全く異なると思う。彼がこのような言葉を発する年齢が16歳であれば、リオオリンピックの結果も少しは変わっていたかもしれない。


世界を意識し始める年齢

今この時代、ドルトムントの香川やインテルの長友のように、世界のビッグクラブで活躍する日本人選手が増えてきたことで、日本人にとって雲の上の存在だった世界のリーグが身近な存在へと変わってきている。


トップリーグでなくても、東南アジア各国や欧州マイナーリーグでも海外クラブに所属する選手が増えている。


これは日本人がサッカーでようやく重い腰を上げ海を渡り始めたと言うことだろうか。


今の年代別代表で活躍している久保建英は海外(バルセロナ)で育った特殊な存在だが、少なくとも年代別代表に入るとアジアをはじめとする世界各国代表と対戦し、これまで日本国内にとどまっていたライバル等の視野が世界へ向けられるようになる。


UAEのあの選手ドリブルがすごいぞ、サウジアラビアのあの選手はどんな球でも簡単にトラップするぞ、韓国のあの選手は誰も止められないぞ。


そのような世界に向けられた視野や感覚を感じたり意識したりするのは、遅くても16歳でなければならない。


もっと言えば、ダノンネーションズカップと言った世界大会へ参加する「12歳」で初めて世界を感じることを日本サッカー育成の標準としなければならない。


世界を肌で感じる年齢

前述のように、世界のクラブや代表と戦うことで視野が広がることにマイナスな面はない。


しかし、ただ大会に参加した、対戦相手と戦った、それだけでは世界を肌で感じたとは言うことができない。


それらはあくまでも一時的な感情や環境であって、本物を体感しているとは言い難い。では、どうすれば世界を肌で感じることができるのか。


ファーストステップとして、毎日世界を肌で感じることができる環境を作らねばならない。それは生活基盤を移すことだ。もちろん簡単には言えないが、島国日本で生まれ育ったならば、海を越えなければ世界を肌で感じることができない。


次に言葉の壁を越えることだ。自分が海を渡った瞬間に、これまで使用してきた母国語の「日本語」は通じない。


相手選手の言っていることや、自分の伝えたいことを「日本語」以外で感じ取り表現をしなければならない。そして、世の中には色んな奴がいることを世界レベルで感じなくてはならない。


言葉を話すことで文化を感じることができるのも一つの特徴である。


最後に、日本と世界との差がどの程度離れているのか、自分がどのような立ち位置であるかを把握することだ。


世界との差と言っても、サッカーのプレーだけではない。生き方、考え方、表し方など、一言で表現できないことさえも把握する必要がある。


また、自分がどのレベルであるかを把握すると同時に、どのレベルでプレーしたいのかを見極めなければならない。はっきり言って日本のサッカーレベルだけでとどまっているようでは、それ以上でもそれ以下でもない。行き着くところは、とどのつまり日本サッカーの最高峰だ。


世界と比べて日本サッカーは50位前後(FIFAランキング)のレベルであることは確かであり、上には上があることを意識し、自分の殻を自分で破らねばならない。


世界に行く年齢

では実際にいつ世界を経験するのがいいのかは、伸び率や時間を考えると、早ければ早いほどいいとしか言いようがない。


完全な理想ではあるが、久保建英や中井卓大のように小学生から世界に身を置くことはベストな選択だろう。


それには親の絶対的な協力、もしくは代理人や世話人、所属するクラブの協力も必要かもしれない。


本田圭佑も現役選手ながらオーストリアでクラブのオーナーを担っており、日本人選手のステップアップの場としたいと語っている。


だが、本当にステップアップの場とするならば、ジュニア(小学生)やジュニアユース(中学生)の選手が、明日カバン一つを背負って海を渡り入団できるような環境を整えなければならないのではないだろうか。


すでにアメリカやアジア各国でスクールの展開をしているが、本格的な選手寮や学校との連携などを急ぎたいところだ。


NEWJIではそんなサッカー環境を作っていきたいと考えている。今はすでに世界があーだこーだ言うような時代ではない。自分でそのチャンスを作り出し、自分でサッカー人生を構築していなければならない。その舞台が日本から世界へ変わるだけである。


もうサッカーで世界との差がどうこう言うような時代ではない


親の助けは当然あるが、世界の同世代の選手はそれが当たり前の環境で育っていて、自分で自分のサッカー環境を選択している。


そのような判断と決断ができる12歳が世界には沢山いるのだ。

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