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見積り依頼(RFQ)はコスト削減の第一歩!

みなさまは、中国をはじめとする海外の生産工場に、見積依頼(RFQ)をしたことがありますか?国内商社を介するではなく、直接取引の見積依頼です。

もしそれが互いに新規取引先である場合、1円でも高く売りたい供給側は、かなりの確率でボッタクりを働かせた見積り金額を提示してくることがあります。特に中国企業が、そのような傾向が高いように思います。

  • え、これは価格が異常に高すぎやしないか?
  • そもそも、やる気があるのか?

などといった、見積りを受ける側には理解できない見積り金額でオファーしてくるのです。

例えば10品目の部品を一気に見積り依頼した場合、回答が全然こなかったり、一部の部品の回答だけだったり、そもそも依頼メールを見てくれているのかよく分からない、といったことが実際にあります。

海外と取引をはじめようと思い立った場合、多くの方が同じような経験をされたことがあるのではないでしょうか。日本でも代理店制度を徹底している時に、同じような状況がありますが、このようなことになってしまう原因としては、実は購買する側・見積りを依頼する側の私たちにも問題があることがわかりました。

この原因はなにか、このような状況を回避し、確実な回答をもらう見積依頼とはどのような方法なのか、に関してお伝えします。

見積依頼では己の本気度を示せ!

ようするに、購入する側の本気で購入するかもしれないぞ!の度合いが足りていません。新規サプライヤーを評価する際、最初の段階でサプライヤーの力量やコスト感、やりとりのフィーリングは?といった新規サプライヤーの実力を知るため、「とりあえず」の見積依頼をする時があるかと思います。

普段そうした見積りで私たちはが提示する見積条件は、「物量は100個、500個、1000個/月産。この3通り」といった、非常に漠然としたものです。

当然ながら、受ける側としては、チャンスです。日本のサプライヤーは、このような漠然とした見積依頼がきた場合でも、これからもしかしたら取引まで発展していくかもしれない?ことを見越して、ある程度誠意ある見積の回答を提出するかと思います。

しかし海外ではそうはいきません。結構な割合で海外企業は「この見積依頼はお金が儲かるのか、儲からないのか」と、非常にシンプルな視点で、私たちの見積依頼を精査しています。

彼らがもっともしりたいのは、

  • いつから量産開始すんの?
  • 正式図面はいつ出んの?
  • 日本に輸出すんの?
  • 貿易条件(FOBなどのこと)はなんなん?

といったように、私たちがとりあえずと思って出した見積依頼は、すぐさま具体的な話にまで深く追求されることになります。

海外企業は、「とりあえず」の見積依頼とまず理解に苦しみます。たとえ理解したとしても、こちらの本気度が伝わっていないことがわかれば、お断り前提のような高額な見積回答がくることでしょう。

そのような手間を省くためにも、「コスト的な条件が満足すれば、即発注します!」というくらいの態度・意思を伝えなければなりません。それは依頼する企業が、より具体的で明確な見積条件を提示する必要があることがわかります。

え?なにこの見積回答?にならないようにするには

私が中国上海に1年半駐在して、その後もトータル15年ほど出張ベースで通い詰めていた経験から、やっぱり満足する見積回答がなかなか揃わないことがよくありました。それは次のような内容です。

・図面は10部品分送って見積依頼をしているのに、8部品分しか回答がなかった
・回答が人民元(RMB)でなく米ドル(US$)で為替レートが不明
・物量からして1個どりを想定していた金型が4個取りになっている

どれも不十分な見積回答の内容でした。このような見積りがきてしまうにはもちろんそれとなく原因があります。

単純明快、見積条件を明確に提示していなかったからです。見積条件は対象品の仕様や物量だけではありません。中国ならではで必要な条件もあったりします。

日本企業に見積依頼をした場合、それら詳細条件が見積依頼時に提示されていなかったとしても、既存の取引先であれば、これまでの経験値から曖昧な依頼に対して詳細な見積もりが返ってくることがあります。

もちろん見積をだすのに足りない条件があれば確認の依頼もしてくれます。そして、最終的には購買側が満足できる見積回答をゲットすることになります。

ただ、新規サプライヤーに対してはそうではないと思います。想像してみても、これでは見積り回答が出せないかもしれないなと、自分の依頼の仕方を見直すことになるでしょう。それと同じように中国でも見積依頼をする場合、気を遣いながら見積依頼をオファーしなければなりません。

では、どのような条件を提示する必要があるのでしょうか。

己の本気度を示す見積依頼方法

前述した問題を未然に防ぐための見積依頼方法をお伝えします。まず一番重要でもあるコストを決定する要素として、サプライヤーが欲してる条件です。

  • 物量(1回の購入物量:一般的には月の購入物量)
  • 総生産予定数(or 生産期間:スポットか短期、中長期か)
  • 金型の取数(金型が必要な場合:既存製品の場合現行の取数)
  • 保税の有無

そして見積依頼する企業と部品メーカーで協議が必要な情報です。

  • MOQ(Minimum Order Quantity)
  • 設備チャージ
  • 材料費

コストに大きな影響はないかもしれないが、見積依頼する企業が希望するコストの提示条件(中国の増値税は13%:保税可否で変動あり)

  • 取引通貨単位(一般的にはUS$かRMB、たまに日本円)
  • 増値税を含む、もしくは含まない
  • 見積は部品単価か金型費か、もしくは両方か

己の本気度を誇示するために提示した方が良い条件

  • 全体スケジュール(特に量産開始予定時期)
  • ターゲット価格

上の条件の中のいくつかを詳しく解説したいと思います。

●金型の取数

製品の年間物量とその部品の必要点数でほぼ決まります。日本企業は物量が欧米企業と比較し多くは見込めないので、小ロット化の要望が多くなっている最近の製品では、ほとんどが1個取りで十分と考えます。

これは、1個の金型で1発打った場合、1個の部品が製造されることを意味します。サプライヤーがよく行う手法として、案件を受注したいがために、部品単価をある程度安く設定して、その不足分は金型の取数を多くし、金型費を通常よりも高額にしているケースがあります。そのような見積書であるかどうか注視しなければなりません。取数は見積依頼する企業が指定しても問題ありません。

●保税有無

中国企業の立場でみた場合、部品の材料を国外から輸入して、その部品を使用する製品を海外に輸出する場合、その材料費に関しては関税のメリットが受けられます。見積書の詳細に関税が記載されている場合、購入側は指摘して材料費から関税を差し引いて欲しいと言っても問題ありません。

●MOQ

1回の発注(購入ロット)が仮に200だったとした場合、量産で発注数量分だけを生産して、出荷すれば全く問題はないですが、さすがに生産側もそれでは割りに合わない場合が多いです。

となると、ある程度効率を考え、コスト削減のためにも、2〜3回の発注予定分をまとめて生産しています。下手すると年間物量を1回の生産でつくってしまうということもなくはありません。生産側で余分な在庫保管費用や、物量減・廃盤になった時のリスクを考え、適切なMOQを設定する必要があります。

●増値税

一般的に単価には増値税を含めず、必要な場合は金型費に増値税を含んで見積価格を算出してもらいます。単価計算が出た場合、増値税を含んでいるか否かを確認しましょう。

●全体スケジュール(量産開始予定時期)

本気度を示すには最も重要な要素の1つです。本当に量産計画があるこという態度でとる見積と、そうでない発売未定の場合では、とりあえず見積であるとバレてしまうでしょう。

●ターゲット価格

基本的に提示された見積価格がターゲットを下回る場合、購入側の利益率がしっかり確保できているという意味では、発注する可能性が高いと汲み取れます。

ターゲットがなければそもそも見積の取り直しの手間を考えると、ターゲットを示した方が本気度は伝わりますし、いい回答をもらうための大事な要素となります。

交渉すればとにかく下がる見積単価

交渉力といいましょうか。交渉しなければ逆にターゲット価格を下回ることがないと思ってもいいかもしれません。ターゲットを示したとしても、逆にターゲットが一つの基準となり、ターゲットを少しだけ上回る見積を出してくるサプライヤーは多いです。

そこからは交渉力でしょう。なにかとコストを下げる要素をうまいタイミングで小出ししながら、最終的に欲しかった価格と条件をゲットすることこそ、購買マンの仕事の流儀でもあります。

この記事の著者

info@newji.inc
NEWJI Inc.のCEOです。上場製造メーカーでコストダウンによる利益を1億7千万円を生み出し、IT×製造業の領域で独立。さらにコストダウンを加速すべく日々爆進中です。F.C.NEWJI代表兼任。