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AIで納期管理する世界がやってくる

まずは納期管理とはなにか

納期管理の定義ですが、「注文した品物が、必要な時に納入されるよう日程を調整すること」と言うことです。そのままですよね。
納期とは、Google先生に聞くと「商品等を納入する期限」と言っています。要するに、自分が頼んだ商品や製品、その物が届くまでの期間と言っていいでしょう。

え、そんな単純?簡単なんじゃない?と思われるかもしれません。

自分が消費者として、店舗やネットで注文したものが届くまでは、通常在庫を抱えている場合が多いので、Amazonプライムなら早くて当日、通常でも2〜3日で手元に届くでしょう。

ここでは、製造業の納期について詳しく見ていきますが、主に製造業である会社では、購買部署がその納期を管理する役割(仕事)があります。購買部署が購入する品物は、その会社が製造機能を有している場合、商品を作るための資材を購入したり、OEMで自社製品を外部に委託している場合、パッケージされた商品そのものを購入する場合があります。

購買部署としては、担当者自身で購入するしないを判断することはほぼできず、絶対に買わなければならない品物がそこにはある、と言うことになります。なぜなら、買わなければ売る物が作れない、売る物がなくなることで、会社の販売機会の損失や利益に影響するからです。
では、実際に調達購買の部門部署ではどのような問題がることで、簡単そうに見える納期管理で苦労しているのでしょうか。

こんな納期管理はやってられない

日々仕事をしていると、様々な問題が発生します。購買部署で進める納期管理にも、様々な問題が日々発生しているのです。

●自社の生産スケジュールが、受注状況に応じて変化することメーカーである場合、自社で生産することが多いため、生産したい物を作るための資材が揃っている前提で生産スケジュールが組まれます。当然ながら生産状況は生産してなんぼの世界なので、資材がないとなると、その生産スケジュールに大きく影響することとなり、出戻りや二度手間といった本来発生することのない仕事が余計に発生してしまうのです。

また、お客様からの注文状況によっては、生産スケジュールに組み込まれていなかったはずの商品を受注することで、お客様が必要としている納期が急に降りかかってくるのです。そうなると、その商品に必要な資材を急ピッチで揃える必要があり、在庫があればある程度は対応できますが、在庫がない場合は購買部署に生産部署から、ありえない納期で資材調達の依頼がくるのです。

●取引先へ手配したモノの納入日が遅れることがある購買部署が営業や生産部署からの依頼で資材を発注する場合、仕入れ先となる取引先に対して発注業務が発生します。どの製品を、何個、いつまでに、いくらで納品して欲しい内容を発注書に記載し、取引先に対してその物が実際に納品されるまでを管理しなければなりません。通常であれば、仕入れ先が正式に回答した納期を自社のシステムに登録し、在庫管理部署に対していつ物が納品されることを報告します。ただ、その納品予定はあくまでも予定であり未定な状況です。

天災による納期の遅れは、基本取引契約書等で基本的には責任免除となるよう謳われていることが多いですが、仕入れ先も外部委託先(二次仕入れ先)から仕入れ品があるような場合は、納期がほとんど見えないといってもいいでしょう。どんな理由にせよ、仕入れ先から突然電話やFAX、メールによって「納期がいついつまで遅れます」といった連絡が突如くるのです。

●早く納入しても怒られる不甲斐なさ生産部署や営業から都度都度降りかかってくる納期の促進依頼。購買部署はその依頼に対して、切実に現状の納期予定を回答します。ただ、ここでもおかしな事象があり、仕入れ先の多大なる協力により、通常の納期よりも10日も早く納品することが可能となったとします。勢いよく、在庫管理部署(購買部署が兼任している場合がほとんんどだが、物流部門が行っている場合も多い)に対して、納期が○日早まりましたので、納品を予定してください!と言った矢先には、そんなに早くいれるんじゃねー!置く場所がねーよ!と怒られたりすることもあるのです。

意味がわかりませんよね。

ただ、それが製造業の納期管理の現状なのです。依頼があった部署の希望納期に限りなく近づけ、さらに最初に回答した納期を早くしても遅くしてもダメ。この調整を想像しただけでも嫌になりますよね。

もう少し具体的に一例を上げてみましょう。例えば、テレビを作っているメーカーといえば、ソニーや日立、パナソニック等の大手企業がありますが、必要な製品のリードタイムが仮に3ヶ月とした場合、正確な出荷量が分からない状態で製品の手配をする必要が出てきます。

さて、今から3か月後の出荷数量はどのようにして決めれば良いのでしょうか。
この時代テレビの売れ行きなんて全くどうなるかなんてわからないですよね。もちろん、テレビに限ったことではないですが、テレビメーカーも様々な要因によって日々の出荷量は変動していきます。

そのため、3か月後にテレビがいったいどの程度売れるかなんて、正確には分かる術はなく、過去の実績や現在手にしている受注状況などと言った情報を元に、当てずっぽうで出荷数量を大まかに予測し、そのために必要な資材を在庫するために先行発注する他ありません。※出荷量(販売予測量)は、購買部署では決めないことが多い。※手配リードタイム:注文してから納入されるまでの期間

つまり、資材手配・生産管理は、不確定の未来を適当に予測し、その予測が外れた場合は、分かった段階で後から納期の調整をしなければならないのです。ただ、実際にその予測が外れたとわかるころには、予測数量が上振れして製品が足りな以上たいで追加手配を強いられた時、3か月のリードタイムでは到底間に合わず、調整が難しいケースが多いことが多々あります。

その場合は、最低必要数量分の製品を確保し、分納でもなんでもいいから不足分を再度最短で仕入れ先と納期調整を行うことが購買部署の納期管理となります。とんでもなく煩雑で面倒な仕事であることがわかりますし、製品数は決して1つではありません。多い企業では1万点〜5万点のMAP(マンスリーアクティブプロダクト)を扱っており、その納期管理の仕事だけで1日が終わってしまうということもよくあることです。

どうやって納期管理をしたらいいの?納期管理の方法を伝授

トヨタ自動車やパナソニックなど、大手企業の取扱製品数はとんでもない数を扱っています。中小企業でも自分の手には追えない数のMAPを扱っている会社は山ほどあります。では、一体そのような会社はどのようにして納期を管理しているのでしょうか。

  • 受注手配方式
  • 見込み手配方式
  • カンバン方式
  • 在庫管理方式

製造業ではよく見かける管理手法となりますが、製造する製品の特徴や、手配する資材の特徴によって、上記4つの手法をうまく使い分けていると考えられます。

受注手配方式

お客様から注文をもらってから、生産に必要な物・資材を手配する方法です。受注生産と聞いたことがあると思いますが、注文をもらってから手配を開始するため、必要な時期に必要な数量を、注文をもらった段階で確定することが可能というところが大きなメリットとなります。ただ、お客様からの注文依頼が短納期である場合、受注した時にはすでに手配にかかるリードタイムを割っていることもあるため、仕入れ先との納期の促進・前倒し調整を行う必要があります。

見込み手配方式

お客様から注文をもらう前に、生産に必要となる製品の数量を推測し、手配する方法です。見込みで物や製品を見込み数量で手配するため、実際に必要な数量・時期とは必ずズレが生じます。そのズレは、手配した後にズレ(差異)が分かった段階で納期の調整をします。見込み手配は、消費が大きい場合、販売が好調で数量がある程度見込まれている場合など、大量生産・大量販売する製品を生産する場合に用いられることが多いでしょう。

カンバン方式

これは、トヨタ自動車が採用している納期管理の方法で有名ですよね。モノ作りを始める直前に、必要な製品と必要な量を手配する方法です。生産の直前に必要な数だけを手配することから、製造・生産のロスがほとんどなくなり、注文する側の立場からすると、最も理想的な手配の1つではないでしょうか。
しかし、受注する側の立場でみると、全く逆の状況です。モノ作りの直前にようやく注文書を発行してもらえることから、当然ながら納入までの期日は数日しかありません。ほとんどの取引先や生産側にとっては、リードタイム割れの状況となってしまいます。

要するに、カンバン方式を成立させるためには、トヨタ自動車の場合、取引先はトヨタ自動車の生産変動に耐えられるだけの在庫量を、常に抱える必要がある!と言うことです。また、できるだけトヨタ自動車の社内製作所や、立地面でも極限までトヨタ自動車の近くにいる必要があります。つまり、カンバン方式は、トヨタ自動車などといった、圧倒的有利な発注する側の立場でなければ、ほぼ成立しない方式と言えるのではないでしょうか。

在庫管理方式

製造する製品の生産変動の特徴、購入する製品の生産リードタイムなどを考慮して、予め一定の在庫数を保有し、その在庫数を維持するように注文をかけていく方式です。常に一定の在庫を抱えていなければならないので、在庫管理上はマイナスですが、生産変動や納期遅延にも柔軟に対応できるメリットがあります。 各社、それぞれの状況に応じて納期管理方法を策定・運用していきます。

注文品の納期管理は、自社の製造に直結する非常に重要な業務です。納期管理をおろそかにすると、後々納期問題で苦しむことになります。逆に納期管理に力を入れて取り組むと、結果的に日々の業務負荷の改善にもつながります。

この記事の著者

info@newji.inc
NEWJI Inc.のCEOです。上場製造メーカーでコストダウンによる利益を1億7千万円を生み出し、IT×製造業の領域で独立。さらにコストダウンを加速すべく日々爆進中です。F.C.NEWJI代表兼任。